今から十年前のある日、初夏を感じる日曜の夕方、私は実家の縁側で冷えたビールと母が茹でた空豆を食べてました。
今日はジョギングしている人がやけに多いなぁ..と庭先から見える土手堤をボンヤリ眺めながら、横になってウトウトしてるうちに日が暮れました。
浅い眠りから目が覚めてふと気づくと暗闇の先に人魂のようなものがフワフワと一列に並んで揺れ動いてます。それも一つや二つの数ではありません。まるでどこまでも続く天の川のよう。
キラキラ輝く光の正体はすでに日没して制限時間ギリギリで柴又のフィニッシュを目指すウルトラランナーが灯すヘッドライトでした。
大会の存在を知った翌年、私は沿道に私設エイドを出して応援。実家はスタートから97km地点なので補給食ではなく、刺激入れのバケツに入れた氷水と柄杓を用意しました。
そこで差し出した氷入りの被り水をアタマから一気にかぶった見ず知らずのランナーさんが私に呟いた悪魔の呪文..
「おぉ〜ま〜ぇ〜もで〜ろ〜ょおぉぉ..」
それ以来、私は無茶を承知でチャレンジを続けましたが制限時間内に完走できたのはたったの1回だけ。怪我と持病もあって5年の空白時間が過ぎました。
そんな私は先週末、柴又の応援に出かけて忘れかけていた挑戦心がフラッシュバック。
もう大会規定の完走は厳しいかも知れませんが、私はあと数年で制限時間が15時間に延長される壮年の部オープン参加の資格が得られます。
もう一度あの世界へ行こう!特別なポイントや参加基準タイムも不要でクリック合戦もなく、健康なら誰でも挑戦が許される非日常体験の世界へ。志と盃は天高く!
スタートラインに立った人、大会を企画運営した人、ボランティアさん、応援した人、道を譲ったサイクリスト、頑張った人に乾杯🍺
皆さんお疲れ様でした。